イニシエーション
終わらせるもの 残るもの
それは突然やってきて
さっぱりとそぎ落とす
終わらせるもの 残るもの
大切なものは何かを鮮やかにする
香りのエピソード
この香りが生まれるきっかけは、2022年11月西宮阪急さんで作家仲間と開催したグループ展『プリズムの種々』です。
こちらのページにグループ展のテーマなどを載せています。
>>グループ展【プリズムの種々』@西宮阪急さん
グループ展のテーマは『種』、『時空を超えた祈り』。
種とは・・・、時空を超えるとは、、、。
探求を深めていくと、種に行きつくには『死』というものが必ず関わっていることに気が付きました。
どうして種を残すのか。
それは死があるから。
種を表現する前に、死を香りに表現したらどうか。
ここで私自身が持っていたタブーに気が付きました。
香りというものは身にまとうもの、空間に漂わせるものなので、『夢』が『希望』があるものでなければならない。『忌み嫌われるもの』を香りにしてははいけない・・。
果たしてそうなんだろうか?
今回は香りの商品ではなく、テーマを通して作家が伝えたいことを表現する機会なのでは?
タブーを越える。
そう思うと『死』をイメージした香りを作ってみたい!!というワクワクが沸き上がってきて、『死』をテーマにした香りをつくることにしました。
イメージを進めていくと・・・
死とはいったい何だろう?そんな旅が始まりました。
・死とは進化していくには必要なものであり、必ず迎えるもの。しかし、すぐに来るものとは思っていない。
・この世に合わないもの、残らないものを終わらせる。
・死に触れることで、私たちは生きることについて真剣に考える。
・死の後には常に再生の動きがある。
死とは厳しい「役割」を担っていますが、それはただの役割であり、この世の循環の一つである。
もっと奥底には、懐かしさ、故郷の帰る郷愁感もあるのではないか。
・厳しい役割を引き受ける強さと覚悟
・悲しむこと、起きたことを許す
・切り離し、昇華する
・冷淡さの中にある美しさ
・故郷に帰る、魂の郷愁感
これらをイメージして香りに表現しました。
ネロリ、カーネーション、ホワイトロータス、ローレル、ガルバナム、サンダルウッドなど20種類ほどの天然香料を使用しています。
出来上がった香りは、
静けさと鋭さ、潔さと郷愁感を感じさせる香り。
トップ:レモン、ネロリなどの爽やかで苦さも感じる柑橘系
ミドル:風通しの良いさっぱりとしたグリーン、ホワイトロータスなど祖父母の家にいるような懐かしい甘さ
ラスト:タバコリーフ、サンダルウッド
死についてどういう視点を持つか。人生や時代の大きな転換点で、痛みや悲しみ、喪失感それらを受け入れていくと、その先で何かが再生し、生まれてくるのではないか。
大きなターニングポイントを迎えている方の何かに繋がると嬉しいです。
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