先日行った写経で、20数年ぶりに墨を擦りました。その時の墨の香りの余韻が今でも残ってて、ふと思い出すたびに安心と背筋が伸びる思いがします。
伯母が書道の先生ということもあって、3歳から17歳まで書道を習っていました。普段の練習は墨汁を使っていましたが、作品展に出すときや、試験の時は必ず擦った墨を使わなければいけないので、墨の香りは幼い頃から親しんでいます。
中国で作った墨と、日本で作った墨があるんですが、私は日本の墨が好き。
擦っていると柔らかい墨の擦り心地とお香に近い、例えようのない香り(手持ちの香料にはない香りなのです)。中国の墨の香りはさっぱりとした甘さなんです。
ふと何の香料が入っているのか知りたくなって調べてみました。龍脳、麝香、梅花香が代表的だとか。なるほど心落ち着くわけですね。昔の人の雅な心遣いが伝わってきます。
(余談ですが、葉っぱが墨の香りがする菊があるんですよ。昔働いていた花屋さんで、時々この菊にあたると喜んで葉の処理をしたものです。)
個人的な好みですが、墨の香りは寒い今の時期が好き。
あ、松やモミ、菊の香りもしんとした寒い時期が一番際立っていると思う。
この菊は食用菊。シャキシャキした歯触りと、菊の香りが口いっぱいに広がって楽しめますよ(^^)
もう一つのブログで書いていますが(→ 冬さんぽ ~花の香りが際立つ季節~ )、寒い季節は香り立ちがゆっくりで、暖かい季節では感じ取れない香りの一面を楽しむことができて楽しい毎日です。
お散歩は色んな発見があって、私には欠かせないもの。季節ごとに変化する植物から香りのヒント、インスピレーションをもらっています。
明日は冬至。柚子風呂で温まって、柚子の香りも楽しんでくださいね。
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もうひとつのブログでは”ちょっと気楽に読んでいただきたいな”ということを書き綴っています。
→ 冬さんぽ ~その2・サイクリング編~ (クリックするとブログ記事に飛びます)
→ 冬さんぽ ~花の香りが際立つ季節~ (クリックするとブログ記事に飛びます)
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