旅など新しい場所に訪れると、香りのインスピレーションといいますか”スイッチ”が押されることが良くあります。
その土地の植物や風景、人々の日々の営み。日の出や日の入り時間の違い・・・
香りの感じ方は思い込みや先入観によっても変わってくることが知られていますが、場所の変化によってその思い込みが外されるのか、同じ香料でも違って感じられたり、その香料の違う一面を発見することがあります。
もしよろしければ、今までの旅に出て作成した香りのエピソードをご覧ください
→ ニシ浜の波音 ・ 草花のタップダンス ・ 沖縄調香会の夜に ・ 大地の香り ~生きることの痛み~
『紅(くれない)』は先日旅した青森からイメージして調香しました。
こちらの商品紹介でも少し書いていますが、東北の植物のエネルギーはとても優しく控えめ。そして過ごしていくうちに、生き物の命の輝きや命の感触を鮮やかに感じるようになりました。こちらは都会と言われるところよりも、もっと単純で、そして厳しさがありました。
リンゴはもいでからやっと香りが出てくること
薪ストーブの温かさ
厳しい冬の寒さを経て、命を芽吹かせる力強さ
古いリンゴの木の包容力
薪ストーブの温かさ
広く薄い黄葉の木々
迎える試練にどう耐えていくか、ということを植物の中で過ごしたことで自然と教わったように思います。
今回の香りを調香して面白かったことは、手持ちのほとんどの香料からは熱帯や温帯地域の背景が感じられるということ。そういったエネルギー溢れる自己表現が強い植物の香料から、東北の植物の香りを表現するのに苦心しました。
あたたかい、包まれるという今までの香りの表現ではない、厳しさと強さ。
欠点やできないことを補うのではなく、力んだ体を大地と空気に溶け込ませて、自身の持っている力を焦らず出していく。
日々色んなことをサポートするきめ細やかなサービスが溢れていますが、自分に備わっている力を発揮するにはそれは過剰な時がある。やさしさではなく、厳しさ、偏らない広い視野も必要なのだなと。調香したことで私が一番余計なものを削ぎ落としシンプルになった気がします。
今回の旅で心動かされることを表現することで、何にどこが心動かされたのか確認できました。そして受けるだけでなく、表現して出していくことの大切さも改めて思った調香でした。
イベントは終了しました。お試しくださった皆様、お買い上げくださった皆様ありがとうございました。
現在、エキュート品川さん2F(レターズ フロム エキュート)でアクセサリー作家さんのイベント『KNOCK CARAVAN』で、
『紅(くれない)』
『木漏れ日の成分(もと)』
を出品しています。
サンプルも置いていますので、ご興味のある方は覗いてみてください。
http://www.ecute.jp/shinagawa/event/834.html
12/1~12/4に行います香りのワークショップのお席も少しずつ埋まってきています。香りに興味のある方は是非ご参加ください。
詳細はこちらをご覧ください。→ https://haruawase.com/archives/439
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12月3日(土)の13時から15時まで、御成門駅近くで調香を承ります。お申込み、お問い合わせはお気軽に こちら へお問い合わせ下さい。(お問い合わせページへ飛びます)埋まりました。ありがとうございます。
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調香のご依頼は こちら からお願いいたします。(お問い合わせページへ飛びます)