回帰
真っ暗な闇の中
目を開けているのか、閉じているのかもわからない暗闇
方向はもちろん、今どこにどんな状態にいるのかもわからない
その中でしばらくいたら、微かに光のようなものを感じた
それは脳が作り出した幻想かもしれないし
もしかしたら体の細胞が感じた微かな光の粒子かもしれない
香りのエピソード
この香りが生まれるきっかけは、京都でクリエイター仲間と開催した『はっこう』をテーマにした展覧会。
>>その時の展覧会の様子 『幸せを考える ~はっこう展を終えて~』
開催した会場の「京都もやし町家」さんは、もともと麹を育てていた場所で、実際に麹の発酵に使われていた室(むろ)がありました。その室(むろ)にも作品を展示しようということで、『闇』をテーマにした香りを展示することにしました。
このことは、私にとってとてもエキサイティングなことでした。というのも、香りとは面白いもので『光』と似たような特徴があるからです。香りは香料の種類を増やして混ぜれば混ぜるほど強くなるどころか柔らかくなり、香料のそれぞれの特徴が出にくくなり(これはどう調合するかで調節できますが)、重ねると黒になる色とは違っています。
そうした特徴のある香りを、あえて性質とは真反対の『闇』をテーマにした香りを模索する。
闇を香りに表現するということのは、私にとってはとてもワクワクするものでした。
そうして闇をテーマにした香りが始まりました。
イメージを進めていくと・・・
はっこう展では3つの香りを展示したのですが、その中の1つの香りに”はっこう=発光”という、光を放つ香りことをイメージした香りの創作も同時に進めていました。
進めていくと、闇がわからないと”光”の香りができない。
そのことに気が付きました。
闇とはいったい何だろう?そんな旅が始まりました。
闇について科学的なこと、錬金術、神話など調べていきました。
そこで捉えた闇の本質的なものと、私が実際に体験した闇を合わせて香りに表現しました。
スイートオレンジ、バニラ、バイオレットリーフ、ホワイトロータス、オークモスなど15種類ほどの天然香料を使用しています。
出来上がった香りは、
包まれるような優しさと甘さと安定感を感じる香り。
トップ:スイートオレンジなど静かな甘い柑橘系
ミドル:イランイランとバニラの包まれるような優しい甘さ、後ろに落ち着いたアーシー
ラスト:バニラ、オークモス
あなたは闇からどんなものを感じますか?
闇という存在は、意識の持ち方で優しくもなり、恐怖の対象にもなる。
闇という言葉(日本語)は好ましくない意味で使われることが多いのですが、そんなに悪者なのでしょうか。
闇っていったい何だろう。
こういうものだと思い込んでいるそれは、本当にそうなのでしょうか?
そういった問いかけのきっかけや
物事を一面だけではなく、多面的に見るきっかけになれば嬉しいです。
包まれるような安心感、緩やかな全体感を感じたい方。
感覚が過敏すぎる方。
考え事で頭がいっぱいの方へ。
是非お使いください。
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